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裁判員参加した大学生、テストと重なり相談したら「教授と話して」…教授「どう対応していいか」

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 大学生が裁判員に選ばれた際の授業の出欠や定期試験の扱いを巡り、大学によって規則に関する対応が分かれている実態が浮き彫りになった。福岡県内の大学に通う学生が、裁判員裁判に参加した結果、テストを受けられなかったケースも確認された。学生らは裁判員裁判に参加しやすい環境づくりの整備を求めている。(水木智、大森祐輔)

貴重な経験

裁判員として参加したことへの感謝状などを手にする大学生(4月17日、福岡県内で)=画像の一部を修整しています

 「授業やテストは休みたくなかったが、誰にでもできる経験ではないため裁判員を辞退しなかった」。昨年、福岡地裁で行われた刑事裁判で裁判員を務めた福岡県内の大学4年の男子学生(21)は振り返る。

 裁判員に選ばれた後、裁判所から公判日程が記された資料が送られてきた。中間テストと重なっていたため、大学の担当課に裁判員に選ばれたことを伝え、追試験などがないかを尋ねると、職員から「教授と直接話してください」と言われた。

 担当教授に相談すると、「どう対応していいかわからない。確認する」と告げられた。その後、教授からは特段の説明がなく、中間テストを受けずに裁判に参加。学生は「被告を目の当たりにして検察官、弁護士の主張に耳を傾け、裁判官と話すことで、犯罪や法律が身近にあることを学べた」と参加した意義を語る。

 一方、教授からは「別の課題を用意する」と言われたが、課題が出されることはなかった。期末テストに注力し、単位は取ることはできた。しかし、釈然としない思いを今も抱える。「追試などの代替措置を設けてくれればよかったのに。こうしたことが繰り返されれば、大学生の参加は進まないと思う」と話した。

教員任せも

 今回の調査で規則があると答えた大学の中では、立命館アジア太平洋大(大分県別府市)が、裁判員やその候補者として裁判所へ赴く際に公認欠席(公欠)を取得できることをホームページで明示していた。一方、規則を定めていないと回答した大学9校では、教員の判断に任されているケースが多く、うち4校は、授業の出欠などに関する取り扱いについて「学生から申し出があった場合は、常に学部や教員で対応を判断する」などと回答した。

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