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「タゴガエル」守り続けたい…鳥取で保全活動や鳴きまね大会

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 国史跡・鳥取城跡のある 久松山(きゅうしょうざん) の麓、鳥取市 湯所(ゆところ) 町で、地元住民がタゴガエルの保全活動に取り組んでいる。生息場所の掃除をしたり、案内表示を作ったりして見守ってきた。6日には「鳴きまね大会」を開催し、参加者らと楽しみながら環境保護への意識を高めた。(渡辺彩香)

2019年に本殿裏で確認

本殿裏にある岩場の陰に潜むタゴガエル(鳥取市湯所町の湯所神社で)

 タゴガエルは、山地の渓流沿いや沢周辺の岩の隙間で繁殖する。湯所町の湯所神社境内で確認されたのは2019年春。参拝者が「本殿の裏から妙な鳴き声がする」と神社に指摘し、神社や住民らが鳥取県立博物館(鳥取市)の協力を得て調べた。

 住民らは鳴き声の主だったタゴガエルを守ろうと、22年に保存会を発足。23年には氏子の寄付で作ったカエルの像(縦約30センチ、横約20センチ)を生息場所のそばに設置し、PRしてきた。

タゴガエルが生息していることを示す石像(鳥取市湯所町の湯所神社で)

 本殿裏のタゴガエルは、山からの湧き水が流れ落ちる岩の隙間で、「グゥグゥ」や「クワックワッ」などと鳴いている。保存会長の山口輝幸さん(68)によると、鳴き声が聞こえるのは4月下旬から2~3週間。今年は4月25日に初めて確認された。

思い思いになりきり

タゴガエルの鳴き声や動きをまねして会場を沸かせる参加者(鳥取市湯所町の湯所神社で)

 保全活動の一環で企画した鳴きまね大会は昨年に続き2回目。県内や広島から計10組が参加した。1組1分以内で競い、似ているかどうかやユニークさを基準に審査した3人の合計得点で優勝者を決定した。

 参加者はカエルの着ぐるみを身につけたり、跳びはねたり、喉を鳴らしたりと、それぞれがカエルになりきって思い思いに鳴いた。優勝した市立久松小6年の男児(11)は「声を高く出して気持ちが伝わるように鳴いたので、勝ててうれしい」と喜んだ。

「環境にしっかり注目」

 山口さんは「美しくはないけれどかわいいタゴガエルを多くの人に知ってもらい、みんなで守り続けたい」と力を込めた。保存会のこうした活動に、県立博物館の一澤圭主幹学芸員(51)は「全国各地に分布するが人目につきにくい所に生息するため、気づかない間に環境が悪化し、繁殖しなくなることが懸念される。しっかりと注目し、見守ることが大切」と期待を寄せる。

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