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北陸ひと模様:ランプの宿オーナー 刀祢秀一さん(72) 地域全体で新しい価値を /石川 | 毎日新聞

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「ランプの宿」や海底隆起した入り江を望む展望台に立つ刀祢秀一さん=石川県珠洲市で、国本ようこ撮影

 能登半島地震で甚大な被害が出た石川県珠洲市。その最北端近くで、海を望む宿泊施設「ランプの宿」を営む。能登半島では数千年に1度と言われる海底隆起が起こり、観光スポットの奇岩が形を変えるなどの変化もあったが「ピンチをチャンスに変え、能登半島をさらに魅力的な観光地にしたい」と意気込む。

 20歳の頃、同市三崎町寺家で約400年続く宿泊施設を父から継いだ。当時は母屋しかない木造の簡素な造り。しかし、ランプをともす幻想的な宿としてブランディングを図り、徐々に知名度を上げた。宿周辺の観光地化も進め、仙人が修行し天に昇ったという伝説の残る「青の洞窟」への道を整備したり、周囲の絶景を楽しめる展望台を新設したりした。宿は年間約1万人が宿泊する施設に成長、海外の観光客にも人気だった。

 順調な中で発生した大地震。建物に大きな被害はなかったが、浄水槽が破損し、休業を余儀なくされた。整備には約2億円が必要で、再開のめどは立っていない。地元の珠洲商工会議所の会頭も務めるが、4月末時点で事業を再開できたのは約540事業所のうち約2割と、珠洲の苦しい実情が浮かび上がる。

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