< Back to 68k.news JP front page

軽井沢から温泉直行列車、インバウンドのにぎわい運べ…芸者・ワインでおもてなし

Original source (on modern site) | Article images: [1] [2]

 宿泊客数の減少に悩む戸倉上山田温泉(長野県千曲市)を盛り上げようと、信州千曲観光局はしなの鉄道と連携し、軽井沢駅から温泉街のある戸倉駅に向かう直行便「湯けむりNEOネオン号」の運行を4月にスタートした。インバウンド(訪日外国人客)でにぎわう軽井沢から温泉街に客を呼び込む考えだ。(浅賀さくら)

車両内で舞を披露する芸者(4月20日、湯けむりNEOネオン号で)

 戸倉上山田温泉は「戸倉温泉」「上山田温泉」「新戸倉温泉」の総称で、このうち最も古い戸倉温泉は昨年、開湯130年を迎えた。同観光局によると、最盛期の1973年頃は社員旅行などの団体客でにぎわい、年間宿泊客数は約100万人に上った。その後、高齢層を中心に活発だった団体バス旅行客の減少やコロナ禍のあおりなどで、宿泊客数が減少。2023年度の宿泊客数は延べ約31万人にとどまった。

 ネオン号は、回送列車を「団体専用臨時列車」として同観光局が貸し切り利用する。午後2時15分に軽井沢駅を出発し、同3時14分に戸倉駅に到着。運行中は車掌が随時、車窓からの風景の見所を説明する。千曲市とも連携し、戸倉駅への到着時刻に合わせて温泉街行きのバスも新設した。

 4月20日には乗客約25人を前に、戸倉上山田温泉の芸者3人が舞や三味線、唄などを披露し、地酒やおつまみも振る舞われた。子連れで参加した県職員の女性(40)は「子どもが芸者を見る機会はほとんどない。貴重な体験でした」と喜んでいた。

 ネオン号は来年3月まで毎週土曜に1回運行され、料金は通常1人1500円で、千曲市内の飲食店などで使えるクーポン(300円分)が付く。さらに、月に1回、車両内で事前予約制のイベントも行われる。

 同観光局の担当者は「様々な観光資源を生かしたイベントで地域をPRし、車両の貸し切りプランを旅行会社などに提案したい」と話す。長野市や上田市に足を運びやすい立地を生かし、交通手段の利便性を高めることで、戸倉上山田温泉を長野旅行の拠点として活用してもらうことも目指す。

 5月25日には全国でワインの普及やPR活動を進めるミスワインを招き、千曲川ワインバレーのワイン3種類を提供するイベントを予定している。先着30名で、1人8000円。問い合わせは同観光局(026・261・0300)へ。

< Back to 68k.news JP front page