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イネカメムシ要警戒 高温傾向で越冬増 出穂期の防除徹底を / 日本農業新聞公式ウェブサイト

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 農水省は、水稲でもみが実らない不稔(ふねん)被害をもたらすイネカメムシについて、今作の出穂期での防除徹底を呼びかけている。同害虫含む斑点米カメムシ類は通常、穂ぞろい期以降に防除するが、同害虫による不稔を防ぐにはより早い防除が必要になる。近年の高温傾向で、越冬しやすくなったのに加え、作期中も増殖・活動しやすい状況だとして、警戒を訴える。

 イネカメムシは特徴として(1)特に稲への嗜好(しこう)性が高い(2)卵ではなく成虫個体が越冬する(3)斑点米を発生させるだけでなく出穂期に吸汁して不稔を引き起こす--などがある。不稔は、穂がたれ下がらずに「青立ち」となる。

 同省が3月下旬に各地方農政局や農業団体に向けて出した通知では、イネカメムシ防除について、農家への周知・指導の徹底を要請。被害が懸念される地域では、あらかじめ薬剤を確保し、出穂期の防除を呼びかける。晩生品種や作期を遅らせることが多い飼料用米や飼料用稲などは、出穂期までにイネカメムシが増えてしまう恐れがあり、特に注意が必要とする。同省は、出穂期の前にも再度通知を出す計画だ。

 高温に見舞われた2023年産では、14県が斑点米カメムシ類で注意報を出し、うち8県がイネカメムシにも言及した。岐阜県は20年作で平野部で広く不稔被害が出たことから、防除指導に注力。23年も注意報を出したが、県病害虫防除所は「出穂と同時に防除するよう指導したことで、広域での被害は抑えられている」と話す。

(古田島知則)

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