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2024/05/15 20:42 ニュース
2024年5月15日,ソニーは,かねてより予告していた「Xperia」ブランドの新型スマートフォン「Xperia 1 VI」と「Xperia 10 VI」を発表した。フラグシップモデルとなるXperia 1 VIでは,ここ数年のXperiaにおける特徴であったディスプレイパネルのアスペクト比を,21:9から19.5:9へと変更しており,大きくイメージを変えている。
Xperia 1 VIとXperia 10 VIは,どちらも通信事業者が取り扱うキャリアモデルに加えて,オープンマーケット(SIMロックフリー)モデルも登場する。オープンマーケットモデルの場合,Xperia 1 VIが6月21日,Xperia 10 VIが7月上旬以降の発売を予定する。税込のメーカー想定売価は,以下のとおり。
●Xperia 1 VI ●Xperia 10 VI
今回発表となった製品のうち,前世代製品と比べて,大きく変わったのがXperia 1 VIだ。本稿の冒頭でも紹介したように,2019年に登場した初代「Xperia 1」から,アスペクト比21:9の有機ELディスプレイをXperiaのシンボルとして採用していた。
ソニーによると,この変更はターゲットとするユーザーのニーズに応えるものだそうだ。21:9というアスペクト比は,映画のアスペクト比に近く,スマートフォンで本格的な動画の視聴体験を実現できたものの,対応する動画配信サイトがあまりなかった。
そんなXperia 1 VIのディスプレイでは,新たな取り組みとして,AIを用いた独自の画質調整技術により,ソニー製テレビ「BRAVIA」の画質をスマートフォンで再現する高画質化エンジン「Powered by BRAVIA」を採用した。また,日差しの強い屋外といった明るい場所を検知すると,画面内の暗い部分のみ輝度を上げて表示を見やすくする「サンライトビジョン」という機能を備えるのもポイントだ。
搭載SoC(System-on-a-chip)は,Qualcomm製のハイエンド市場向け「Snapdragon 8 Gen 3」を採用。Xperia 1シリーズとして,初めて冷却機構にベイパーチャンバーを搭載して,SoCの性能を引き出す。
Xperiaのもう1つの見どころであるアウトカメラ機能は,前世代製品の「Xperia 1 V」と同じ標準と広角,ペリスコープ式の望遠という3眼構成だ。標準カメラに組み合わせる撮像センサーに「Exmor T for mobile」を採用するのも変わらない。
また,Xperia 1 VIでは,これまで写真撮影用の「Photo Pro」と,動画撮影用の「Video Pro」,「Cinema Pro」と用途別に分けて提供していたカメラアプリを,1つに統合した。これにより,従来のアプリと比べて,簡単な操作で写真や動画を撮影できるようになったという。
ゲーマー向け機能の「Game Enhancer」も最新バージョンへと切り替わった。ゲーム画面を描画した結果をもとにして,スマートフォン側がCPUやGPUの動作を最適化して,高いフレームレートを維持する「FPS Optimizer」や,ディスプレイパネルのタッチ感度を調整する機能が新たに加わっている。
周辺機器では,専用カバーを用意する。キックスタンド機能を備えており,縦置きと横置きの両方に対応するのが特徴だ。
ミドルクラス市場モデルのXperia 10 VIは,Xperia 1 VIとは対象的に,前世代製品の「Xperia 10 V」と同じ約6.1インチサイズで,アスペクト比21:9(詳細な解像度は未公開)の有機ELディスプレイを採用する。
搭載SoCをQualcommの「Snapdragon 695」から,「Snapdragon 6 Gen 1」に変更しており,性能が向上している。
アウトカメラ機能は,標準と広角の2眼式で,Xperia 10 Vの3眼式カメラと比べるとレンズが1つ減った。ただし,Xperia 1 VIの標準カメラと同様に,撮影した画像中央をクロップすることで,2倍の望遠カメラとしても使えるようになった。ソニーは,従来製品と同じの3つの焦点距離を使い分けて写真を撮影できると説明している。
Xperia 10 VI
それがXperia 1 VIでは,サイズこそ同じ6.5インチであるものの,アスペクト比が19.5:9の有機ELディスプレイに変更されたのだ。また,解像度も従来の1644×3840ドットから,Full HD+(詳細な解像度は未公開)と下がっている。
背面から見ても印象がだいぶ変わった
また,最近ではYouTubeショートやTikTokなど,縦長の動画も増えている。こうした動画を見る消費者だけでなく,撮影するクリエイターにとっても,馴染み深いアスペクト比に近づけたほうがいいという判断があったようだ。
ディスプレイの変更には,インフレと円安による部材の調達コスト上昇も影響しているそうだ。Xperia 1 VIでは,スマートフォンで主流となっている解像度のディスプレイパネルに変更したことで本体価格を抑えたと,ソニーは明らかにしている。
なお,パネルの解像度を下げることで,従来製品よりもバッテリー消費が抑えられ,バッテリー駆動時間が向上するといったメリットもあったという。
右側面には,左からエンボス加工されたシャッターボタン,指紋認証センサーを内蔵した[電源/スリープ]ボタン,音量調整ボタンを配置する。一方の左側面には滑り止めの浅い溝があるだけで,ボタン類は備えていない
レンズ構成は変わらないが,Xperia 1 VIの標準カメラは,画像の中央部をクロップすることで,デジタルズームを使わずに2倍の望遠カメラとしても利用できる機能が加わった。さらに,望遠カメラの焦点距離が,Xperia 1 Vの85〜125mm相当(35mm換算,以下同じ)から,85〜170mm相当に広がったのも見どころと言えよう。
レンズの周囲はわずかに沈み込んでおり,レンズフードの役割を持たせたている
表1 Xperia 1 V(オープンマーケットモデル)の主なスペック
メーカー
ソニー
OS
Android(バージョン未公開)
ディスプレイパネル
約6.5インチ有機EL,解像度Full HD+(詳細未公開),アスペクト比 19.5:9,リフレッシュレート120Hz
プロセッサ
Qualcomm製「Snapdragon 8 Gen 3」
・CPUコア:Kryo(最大3.3Hz)
・GPUコア:Adreno
メインメモリ容量
12GB,16GB
ストレージ
256GB,512GB+microSDXC(最大1.5TB)
アウトカメラ
3眼式
・標準:約4800万画素(記録画素数約1200万画素),F1.9,焦点距離24mm
・広角:約1200万画素,F2.2,焦点距離16mm
・望遠:約1200万画素,F2.3〜3.5,焦点距離85〜170mm
インカメラ
約1200万画素,F2.0
対応5Gバンド
n1/n3/n5/n28/n41/n77/n78/n79
対応LTEバンド
1/3/4/5/7/8/12/13/17/18//19/21/26/28/38/39/40/41/42/66
無線LAN対応
Wi-Fi 6E(IEEE 802.11ax)
※2024年秋以降にWi-Fi 7に対応予定
Bluetooth対応
5.4
バッテリー容量
5000mAh
USBポート
USB Type-C
本体サイズ
約74(幅)×162(奥行き)×8.2(厚さ)mm
本体重量
約192g
本体カラー
ブラック、プラチナシルバー、カーキグリーン,スカーレット
本体カラーのバリエーションは3色
表2 Xperia 10 VI(オープンマーケットモデル)の主なスペック
メーカー
ソニー
OS
Android(バージョン未公開)
ディスプレイパネル
約6.1インチ有機EL,解像度Full HD+(詳細未公開),アスペクト比 21:9
プロセッサ
Qualcomm製「Snapdragon 6 Gen 1」
・CPUコア:Kryo(最大2.2GHz)
・GPUコア:Adreno
メインメモリ容量
6GB
ストレージ
128GB+microSDXC(最大1.5TB)
アウトカメラ
2眼式
・標準:約4800万画素(記録画素数1200万画素),F1.8,焦点距離26mm
・広角:約800万画素,F2.2,焦点距離16mm
インカメラ
約800万画素,F2.0
対応5Gバンド
n3/n28/n41/n77/n78/n79
対応LTEバンド
1/3/4/5/8/12/17/18//19/21/28/38/41/42
無線LAN対応
Wi-Fi 5(IEEE 802.11ac)
Bluetooth対応
5.2
バッテリー容量
5000mAh
USBポート
USB Type-C
本体サイズ
約68(幅)×155(奥行き)×8.3(厚さ)mm
本体重量
約164g
本体カラー
ブラック,ホワイト、ブルー
ソニーのXperia 1 VI製品情報ページ
ソニーのXperia 10 VI製品情報ページ