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M4チップを搭載した「iPad Pro」は薄く軽く高性能になったが、その利点がはっきりしない:製品レビュー

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結局のところ、iPad Proはまだ完成度が低いと感じてしまう。現時点ではM4チップの革新性が具体的にどこにあるのかはっきりしていないので、特にこの価格設定ではiPad Proをおすすめすることは難しいだろう。

最上位モデルのiPad Pro(13インチ、Nano-textureガラス、ストレージ容量2TB、セルラーモデル)と最新の周辺機器(Magic KeyboardとApple Pencil Pro)を合わせると、なんと3,077ドル(日本では50万2,600円)にもなってしまう。これに対して、「M3 Max」チップと1TBのストレージを組み合わせた14インチ版MacBook Proの価格は3,199ドル(日本では53万8,800円)からで、iPad Proの最上位モデルとの価格差はわずかだ。

PHOTOGRAPH: BRENDA STOLYAR

この時点で、少なくともアップルが6月に開催する毎年恒例の開発者向けカンファレンス「WWDC」で「 iPadOS 18」を発表するまで、購入は待ったほうがいいだろう。仮にM4専用の新機能が発表されたとしても、開発者向けベータ版をダウンロードしない限りは、実際に利用できる時期は秋以降になってしまう。

しかも、その新機能が期待ほど画期的なものではなかったら、iPad Proは「より薄く、より軽く、より明るく」という進化を求めている人にしかおすすめできない。とはいえ、M2チップを搭載したiPad Proは、いまでも間違いなくすばらしい選択肢だ。アップルの公式サイトでの販売は終了してしまったが、小売店ではまだ購入可能となっている(セールでの割り引きを狙いたい)。

総括すると、M4チップを搭載したiPad Proは、いまのところアップルが大々的に宣伝していたわりには期待外れな印象だ。このハイエンドのタブレット端末は、もう少し時間をかけて煮詰めるべきだったのかもしれない。

◎「WIRED」な点

美しい有機ELディスプレイ。大型モデルでは画面サイズがわずかに大きくなっている。M4チップを搭載。より薄く、軽くなった。ストレージの基本容量が2倍。横向き配置のカメラ。新しいMagic KeyboardとApple Pencil Proが機能を拡張してくれる。

△「TIRED」な点

高価であること。M4チップのポテンシャルは、将来のソフトウェアのアップデートの陰に隠れてしまうかもしれない。USB-Cポートがひとつしかない。iPadOSは相変わらず使いづらくてイライラさせられる。

(Originally published on wired.com, edited by Daisuke Takimoto)

※『WIRED』によるアップルの関連記事はこちら。

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