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スロヴァキア首相銃撃事件、男性を殺人未遂容疑で訴追 容体は深刻と病院長 - BBCニュース

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画像提供, Reuters

画像説明, 撃たれたフィツォ首相を公用車に乗せる警備担当たち(15日、スロヴァキア・ハンドロヴァ)

2024年5月17日

襲撃犯とされる人物の氏名は明らかにされていない。ただ、現地メディアはレヴィツェ町の71歳男性だとし、裁判で終身刑を受ける可能性があると報じている。

フィツォ氏を治療している病院の院長は16日に記者会見に臨み、フィツォ氏の容体は安定しているが「本当に非常に深刻」だと説明。フィツォ氏は集中治療室に移されたと述べた。

ペレグリニ氏はまた、「状況は非常に危機的だ。私たちは彼に多くのエネルギーを与え、前向きでいなくてはならない」と述べた。

閣僚らは今回の事件について、政治的動機に基づくものだとしている。マトゥス・スタジ・エストク内相は16日の記者会見で、容疑者は単独犯で、以前にも反政府デモに参加していたと説明。「大統領選挙後にその結果に不満を持ち、行動を加速させた単独犯だ」と述べた。

画像提供, Reuters

画像説明, スロヴァキアのロベルト・フィツォ首相

腹部と腕に銃弾

今回の事件は、首都ブラチスラヴァから北東に約180キロ離れたハンドロヴァで15日の日中に発生。フィツォ氏は男性に至近距離から5発撃たれ、腹部と腕に銃弾を受けた。

フィツォ氏は救急ヘリで近くの病院に運ばれ、生命が危険な状態だとされた。その後、ハンドロヴァの東にあるバンスカ・ビストリツァの別の施設に移され、外科医と外傷治療チームが夜を徹して容体を安定させた。

現地メディアによると、容疑者は作家で政治活動家だとされる。容疑者が映っているとされる動画が浮上しており、その中で、政府の政策や国営メディアへの対応に対する反対を表明している。BBCは、この人物が容疑者なのか、さらには動画がどのような状況で撮影されたのか、いずれも確認できていない。

政治的動機による攻撃と

国内の政治家からは、この銃撃事件について「民主主義への攻撃」だとする声が出ている。

近く退任するズザナ・チャプトヴァ大統領は16日、冷静になるよう国民に求め、すべての政党党首を招いた会議で緊迫する政治情勢について話し合うことを提案した。

一方、次期大統領のペレグリニ氏は、6月前半に予定されている欧州議会選挙を前に、すべての政党に選挙運動を中止するよう呼びかけた。

フィツォ氏をめぐっては、ウクライナへの軍事支援の打ち切りやロシアへの制裁を求めていることなどから、国内では賛否が分かれている。

今回の事件は、公共放送RTVSを廃止するという政府の提案を議会が審議し始めた日に起こった。

公共放送の改革案をめぐってはここ数週間、数千人規模の抗議デモが起きていた。事件が起きた15日にも野党主導のデモが予定されていたが、首相銃撃事件の発生が明らかになると、中止になった。

トマシュ・タラバ副首相はBBCのインタビューで、野党による「虚偽の物語」が銃撃事件の原因だと非難。「首相はこれまで何度か、こうしたことが起こるのを恐れていると話していた」と述べた。

一方、エストク内相は、今回の事件につながった空気をメディアが醸成したと非難。「あなたたちの多くが、この憎しみの種をまいていた」と述べた。

現地紙「デニク・N」の外交担当記者、パヴォル・ストルバ氏は「現在の連合政権は、ジャーナリストやNGOのメンバーなどの頭に、標的を塗ったようなものだ」、「スロヴァキアのいくつかの報道機関は今、警察の監視対象にされているという情報がある」とBBCに話した。

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