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「それってあなたの感想ですよね」小学生のマウントに大人はどう対応すべき?応用行動分析学の先生に聞いてみた | Kindai Picks

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みなさんの中にも、聞いたことがある方が多いのではないでしょうか。

あの、ひろゆきさん(西村博之氏)を象徴する台詞のひとつです。

この言葉は、過去に「小学生の流行語ランキング2022」で1位になり、会話の途中で相手を言い負かそうとする子どもが社会問題になりました。

また、「ひろゆキッズ」という言葉や、派生して「マウント小学生」という言葉も生まれました。



「進研ゼミ小学講座」による調査結果。2023年にも4位にランクイン。

ひろゆきさんのこの言葉は、ブームが過ぎた今もなお、使う子どもたちがいるようです。

そのような背景から、「​​それってなんなん?相談所」に、親御さんから相談が届きました。

本企画「​​​​それってなんなん?相談所」は、近畿大学にいるさまざまな専門分野の先生たちに、相談者の悩みや疑問をぶつけることができるというもの。そして……

私も小学5年生の男の子を持つ親として、見逃せない問題です。

このままじゃ、全国の親子が会話に困る……かもしれない!

親たちのストレスがたまる一方……かもしれない!!

「それってあなたの感想ですよね?」はどんなときに使う? 子どもたちに聞いてみた!

まずは実際に、小学生の子どもたちに「それってあなたの感想ですよね?」を使っているのか聞いてみました。

[ひろゆき語 使う? 使わない?]

Aちゃん(5年生/女子):使っている友達はいる。男子同士がふざけて使っていることが多い。

Bくん(5年生/男子):日頃からよく使う。昨日もお母さんに対して使った。友達には使わない。

Cくん(4年生/男子):休み時間、意見が違う人に使われて、やだなって思った。僕は使わない。

Dくん(3年生/男子):学校でよく使うし、家でも使う。



[ひろゆき語 なぜ使うのだと思う?]

Aちゃん(5年生/女子):クラスで人気の子が使い出したら、みんなも使いはじめた。

Bくん(5年生/男子):アホらしくて、使い勝手がいいからかな。

Cくん(4年生/男子):仲良くない人から言われたからわからない。

Dくん(3年生/男子):楽しいから……?

なるほど。みんながみんな、「それってあなたの感想ですよね?」を使っているわけではないみたい。むしろその言葉を使われて嫌がっている子も多い印象……。

ちなみに私の息子、小学5年生のソウ君にも聞いてみました。

!!!

めっちゃ嫌がってるー!!

このままじゃ、ひろゆきさんが無駄に嫌われてしまう……!

ひろゆき語をなんとかしなくては!

使命感がわいてきました。

流行語が持つユーモアは大切。

その上で、親子が気持ちよくコミュニケーションを取る方法や、お互いが納得できる話し方について、調査していきたいと思います!

それでは、いざ、専門の先生がいる近畿大学へ!

ひろゆき語は、子どもたちにとってメリットがいっぱい!?



大対先生

応用行動分析学を専門にしている大対香奈子です。



大対 香奈子(おおつい かなこ)先生

総合社会学部総合社会学科 心理系専攻 准教授

専門:応用行動分析

学校でのポジティブ行動支援や学校コンサルテーションを専門とし、発達障害児を含む子どもの学校適応支援に関する実践と研究を行っています。

教員情報詳細

大対先生は、過去の「​​それってなんなん?相談所」のこちらの記事でもご回答いただいた先生です。

小学生からの質問!「どうして男子は女子よりふざけるの?」「いじわるしたくなくてもしてしまうのはなぜ?」

川口真目

応用行動分析学の専門家ということは、子どもが行動を起こす心理がわかるのでしょうか?





川口真目

それではズバリお聞きします。子どもたちの「それってあなたの感想ですよね?」という言葉をとめることはできるのでしょうか?





大対先生

なぜなら、ひろゆきさんのその言葉は、子どもたちにとってメリットが大きいから。





大対先生

流行り言葉を使うのは、子どもにとってメリットがあるということです。例えば、その言葉を使うことで、注目されたり、いい反応が得られたり。ひろゆきさんに限らず、子どもたちがYouTubeやアニメの流行りにのっかるのはよくあることです。私たちの時代は、「クレヨンしんちゃん」の言葉が流行りましたよね?





大対先生

今までに流行った言葉の中でも、ひろゆきさんの言葉は、子どもたちにとってメリットが大きいんです。応用行動分析学の2種類のメリットに当てはまるので。



大対先生

つまり「それってあなたの感想ですよね?」は、注目を浴びる「獲得のメリット」がありつつ、相手を黙らせることができる「回避のメリット」も併せ持つ、すごい一言ということなんです。



川口真目

小学生の聞き取りでも、小学4年生のD君は、友達とふざけあうときにも、お母さんを黙らせたいときにも使うって言ってました。



大対先生

なるほど、そのケースだと友達に使うときは獲得のメリット、お母さんに使うときは回避のメリットがあるということですかね。



川口真目

ちなみに、他の流行り言葉を聞いたとき、2023年の流行語ランキングにも入った「ひき肉です」と答えてくれた小学生がいました。でも、「それってあなたの感想ですよね?」の方がよく使う、と言ってたんです。これは、どういう違いがあるんでしょう?



大対先生

詳細を聞かないと正しい判断はできないんですが、「ひき肉です」という言葉が持つメリットが基本的に「獲得のメリット」だけだからかもしれませんね。







川口真目

そんな……! じゃあ世の親御さんたちは、マウントに耐えるしかないと? 親子間でいい関係を作る会話をするにはどうしたらいいんですか!?



大対先生

それは、子どもがその言葉を使うことによるメリットを理解することです。応用行動分析学では、言葉の「形」ではなく、その言葉の「機能」を見ることが大切だと言われています。

意外なことが子どものメリット・デメリットに?

川口真目

きっと、ひろゆき語を「やめなさい」って言っても子どもたちはやめませんよね……。



大対先生

ひろゆき語以上に、子どもにとってメリットのある言葉を提示するとか。「こういう風にいってくれる?」って。



川口真目

ひろゆき語以上に、メリットのある言葉があるんですか? 知りたい!



川口真目

それじゃあ逆に、「そんな言葉を使ってると嫌われちゃうよ」って言うのはどうですか?



大対先生

うーん。デメリットを提示して、子どもの行動を変えようとすることはあんまり効果的じゃないんですよ。例えば、「ご飯が食べられなくなるからお菓子はダメ」って言われるのと「お菓子を我慢すればご飯がおいしくなるよ」と言われるのでは印象が違いませんか?



川口真目

うっ、たしかに前者のデメリットを提示する言い方はモヤッとしますね。私、嫌な大人になってました。



大対先生

でも、そういう大人と子どもの、メリットとデメリットの認識の違いってよくあることなんです。実際に私がコンサルを行った実例を2つお話します。

1つ目は、兄弟喧嘩が弟にとってのメリットになったケース。



2つ目は、紙を破くことがメリットになったケース。



川口真目

兄弟喧嘩も紙を破ることも、「よくない」って思っちゃうけど……その子たちにとっては「いいこと」だったのか。



大対先生

いい行動も困った行動も、「いいこと(メリット)」に繋がることで増えていきます。だから、子どものいい行動を増やしたいなと思ったら、いい行動にメリットが伴うようにすることが大切です。



大対先生

そうすれば、大人と子ども、双方にとっていい関係を作ることができます。



川口真目

ちょっとした工夫でいい関係になれるなら、お互いにストレスがなくなっていいですよね。



大対先生

そうですよね。それに、子どもが問題を起こすときは、「その方法は僕には合ってないよ」というサインなんです。



川口真目

「その方法は合ってないよ」っていうサインかぁ。あ、そういえば……。

息子は、幼稚園まで図工が好きだったんですけど、小学生になってから、「図工の授業を休みたい」という時期がありました。本人に理由を聞いてみると、「パレットの持ち方とか、絵の具の出し方とかルールが決められてるから」と言っていました。



大対先生

そのルールは、大人は気づかないソウ君にとってのデメリットだったんですね。

メリットと同じくらい、子どもにとってのデメリットを考えるのも大切です。



川口真目

今思えば、あれはまさに、「その方法は僕には合ってないよ」というサインだったと思います。今はルールがゆるくなったみたいで、また図工が好きになったと言っていました。



大対先生

先生がソウ君の行動を認めてくれたから、また図工を好きになれたんですね。



マウント用語に親はどう対応すればいいの? 応用行動分析学で実践!

川口真目

子どもにとってのメリットとデメリットが、大人の認識とこんなに違うとは。親子であっても、親は子どもの心理をわかっていないことが多いのかも……。



大対先生

だからこそ、子どもの言葉にはどんな機能が隠されているのかを、大人が観察して行動を変えるということが大切です。



川口真目

それはわかるんですけど、観察することも行動を変えることも簡単じゃないですよ〜。家事に育児に仕事に、親も疲れてるし……。



川口真目

それに、親が行動を変えなきゃいけないってことは、親の行動が悪かったってことなんでしょうか……。



大対先生

それは違います! 親の行動もまた、メリットに繋がることで起こっていますから。行動は、環境によって起こりやすくなったり、起こりにくくなったりします。つまり、子どもだったり親だったり、その人個人を責める必要はありません。個人ではなく、その人を取り巻く環境に目を向けること。そして、その環境を変えていくことが大切です。つまり、環境を変えることが行動を変えるということに繋がっていくんです。



川口真目

そっか。変えると言っても、誰かを責めるものではないんだな。それを聞いて安心しました!



大対先生

また、親がイライラすることはSOSのサインです。そういうときこそ応用行動分析学の出番です。実際に、応用行動分析学の実践である 「ポジティブ ビヘイビア サポート(PBS)」を受けた親はイライラしなくなって、親子間の関係性がよくなったという報告があります。



大対先生

実際にやってみた方が早いと思いますので、今回の相談内容を、PBSに基づいて考えてみましょうか。





大対先生

ではまず、N子さんの子どもがひろゆき用語を使う理由について、「ABCフレーム」という方法を使って分析しましょう。ABCフレームとは、「Antecedent=先行事象」「Behavior=行動」「Consequence =結果」に分けて考えていく方法です。



大対先生

このABCフレームに、今回のN子さんからの相談内容を当てはめると……



大対先生

こうやって書き出してみると、A=親が「宿題をしなさい」という出来事と、C=親の言葉を阻止できるメリットが、B=子どもが「それってあなたの感想ですよね?」と言う行動を起こしている環境設定、ということがわかります。つまりAの親の行動と、Cの親の対応によるメリットを変えれば、Bの子どもの行動は変わるということです。



川口真目

なるほど! こうやって見たら、親が変われば子どもが変わるということが納得できるかも。



大対先生

「親が変わる」と言うと、「変わらないといけない」というプレッシャーを感じるかもしれませんが、ただ実験的に行動を変えてみると違う結果になる、ということなんです。応用行動分析学では、ABCは相互関係にあるという原則があるので。



川口真目

それじゃあ、親はどんな風に行動を変えたらいいのでしょうか?



大対先生

それもまた、ABCフレームで分析することができます。今度は「なぜ親は『宿題をしなさい』と言うのか?」を課題に設定して、考えてみましょうか。





N子さんの相談内容を元に、詳細を想定しています。

川口真目

つまり、今回の相談者であるN子さん家のケースでは、親は夕飯の準備をスムーズにしたいから、子どもに「早く宿題を終わらせてほしい」と言う。その親の 行動(B)が、今度は子どものマウント行動の先行事象(A)となって、マウント行動を発動させやすくしてしまう……ってことか。なるほど、子どものABCと親のABCは、相互に関係し合ってるんですね。



大対先生

要は、先行事象(A)を起こさなければいいんです。具体的な策は、夕飯の準備がスムーズにできる環境を作ればいい。宿題をするのとご飯を食べるテーブルを分けたり、夕飯の準備を前日にまとめたり。自分のペースで動く方が力を発揮できるタイプのお子さんなのであれば、温めればOKなご飯を置いておいて、宿題が終わり次第食べてもらったり。

そしたら、N子さんの「宿題をやりなさい」という言葉が減り、息子さんのマウント用語も減るのではないかと。



川口真目

親がイライラする理由もわかってスッキリですね!



大対先生

イライラする理由って、子どもでも大人でも自分でわかっていないことが多いんです。Nさんは「夕飯の準備をスムーズにしたかった」から子どもに宿題を早くやってほしかった。

でも他にも、子どもに「宿題をしなさい」という親はいると思います。イライラする理由はみんなバラバラ。例えば、「ご飯が冷めてしまうのが嫌」、「みんなでご飯を食べたい」、「洗い物を早く終わらせたい」とかね。



大対先生

だから、自分の感情を観察することが大切なんです。何に対してイライラして、ネガティブな言葉を言ってしまうのか。



川口真目

ABCフレームに当てはめると、自分の感情と行動を俯瞰することができますもんね。



大対先生

自分の中にあるイライラ、モヤモヤを改善するには、一旦感情を外に出すことが必要です。その方法はこのABCフレームでもいいし、日記でもいい。メモなどにザクっと書くだけでもいいと思いますよ。そうやって、「今ある感情が起こっている」という事実を俯瞰的・客観的な視点でみることが大切です。

子ども同士のトラブル、親はどう対応したらいい?

川口真目

PBSって親子だけでなく、夫婦とか仕事とかいろんな関係性でも使えそうですね。例えば、子ども同士のトラブルとかでも…?



大対先生

行動を改善したいときはどんなときでも使えます。



川口真目

息子のソウ君も、いつも遊んでるクラスの子に「それってあなたの感想ですよね?」だけでなく、「バカ」のようなネガティブな言葉を使われて、落ち込んでることがありました。そういう子ども同士のちょっかいレベルのトラブルは、親はどのように対応したらいいでしょうか?



大対先生

もちろん、ネガティブな言葉を使ってしまうお子さんとの向き合いも必要なのですが、引き続き応用行動分析学の観点で、川口さんや息子さんができることを考えてみましょう。次の3ステップで対応してみてください。



①相手に対してどう返しているか聞く

②相手の行動のメリット(獲得または回避)を探る

③相手にとってメリット(獲得または回避)に繋げないように、こちらの反応を変える



大対先生

まずは①。お子さんが相手の行動に対して、どのように対応してるか確認してください。



川口真目

「どうしてそんなこと言うの?」って理由を聞き返すって言ってました。



大対先生

なるほど。ただ、それだと相手の子はメリットを得ることができちゃうんですよね。ネガティブな言葉を言ったら、「反応してもらえる」って。



川口真目

あ〜! それですね。優しいので無視することができなかったのかも……。ABCフレームに当てはめると、こんな感じかな?



大対先生

ちょっかいを出す子には、そのちょっかいに反応しないことが大切なんですけど、確かにただ無視をするというのは難しいですよね。そんなときは、そもそも反応しないために代わりにできることを考えていくとやりやすいと思います。



川口真目

つまり、BはAとCから起こってるから、AやCを変えたらいいけれど、ソウ君にとっては「A 先行事象」を変える方法が合うかも、ってことですよね。たとえば、休み時間に相手の子から離れるとか?



大対先生

そうですね。もしソウ君の反応が、相手の子の「獲得のメリット」になってしまっているのなら、そのメリットを無効化するためにそこには反応せず、違うお友達と積極的に遊ぶとか、あえて用事を作って教室から出るとか。相手の子に反応しなくても済むような環境を作ってしまうのがいいですね。



川口真目

なるほど! それならソウ君もできると思います。そういえば、事前に聞き込みをしたC君は、「それってあなたの感想ですよね?」って言われたとき、「うん、そうだよ。僕の感想だよ」と返したら、相手の子が黙ったと言っていました。それ以来、ひろゆき語を使われなくなったみたいです。



大対先生

それもアリですね。相手の子の「言い負かして相手を黙らせたい」というメリットを無効化する返し方だったのでしょう。ABCフレームの「C 結果」を変えた対処法ですね。

まとめ

川口真目

ここまでたくさん、マウント用語に対しての対応を教えてくださってありがとうございます!





川口真目

そんなことないと思います! ……けど、よりたくさんの親子に届けたいので、





大対先生

ああ、でもいいかも。子どもへの教育プログラムでも、漫画やアニメの言葉を使って教える方が、子どもたちに伝わりやすいんです。ネガティブになりがちなお悩みに対しても、ポジティブな気持ちで向き合えますし。



川口真目

大対先生からのお墨付きもいただきました……! それでは早速……

「それってあなたの感想ですよね?」(マウント用語)を言われたら……?



川口真目

そして、ひろゆき語に勝るメリットの言葉が思いついたら……!

大対先生

いいですね〜(笑)

それに加えて、「自分の言葉が相手にどう受け取られているかをよく観察し、それに合わせて柔軟に自分の行動を調整する」というのもありますね。実際、「それってあなたの感想ですよね?」と言われて気にする人もいれば、「アハハ」と笑って返す人もいます。その言葉がいつでもネガティブに受け取られるかといえば、そうとも限らないわけです。



川口真目

いわゆる「スルースキル」ってやつを使う人もいますもんね。



大対先生

「それってあなたの感想ですよね?」という言葉そのものが「いい」とか「悪い」とか、そういうことではないんです。問題なのは、二者の間でどちらかが「嫌だ」と感じたとき、どう対応するか。



川口真目

たしかにそうですね。事前に聞き込みをした小学5年生のAちゃんも、「相手が言ってることが、本気なのか冗談なのかわかるように、日頃から会話をする中で、相手の子の顔や話し方をよく見るようにしてる」と言ってました。



大対先生

そういう言葉以外でも相手を観察すること。それが、人といい関係を築くために必要なことなんです。人と関わる限りトラブルは起こり得ますから。





大対先生

悪くないですね。流行り言葉なんて、これからもいくつも出てきますから。



川口家、後日談

大対先生とお話した後日、こんなことがありました。

息子ソウ君が、小学校から帰宅した時のこと。

川口真目

おかえり〜。めっちゃ疲れてるやん。何かあったん?



ソウ君

今日は大掃除をする日やったから大変やったんよ。ホコリはすごいし、時間もないし…。



何気なく言ったこの一言が……

息子を怒らせてしまいました。

その時、ふと大対先生の言葉を思い出しました。

ぶつかったときこそ、自分が変わっていく……!

そのためには……



川口真目

え、今の子たちって「おつー」の使い方、そういう感じなの……?



ソウ君

そうだったんだ。わかんなかった。だってクラスの子たちは、「おつー」を煽るときに使うから。







川口真目

こっちこそごめんね。よし、これで仲直り……





親世代が「いい意味の言葉」として使っていても、今の世代の子たちは「よくない意味の言葉」として受け取ることがあるということを知りました。

親も、知らず知らずのうちに、子どもを傷つけてしまうことがあるのかもしれません。

親と子どもの間で意味がズレてる言葉は、他にもきっとあると思います。これからも、親が知らないような流行りの言葉はできるし、言葉の意味が変わっていくかもしれません。

だからこそ、言葉の形だけじゃなく機能を見つめること、そして、何かあったときにすぐ話し合える親子関係を築いておくことが大事なのだと実感しました。

日頃から何気ない会話をしたり、相手の表情を見たり、雰囲気を感じ取ったり。

素直な気持ちを、言い合えるように。

この記事を書いた人

川口真目(カワグチマサミ)

2010年から漫画家・イラストレーターとして活動を始める。その後、結婚し、2012年に男の子を出産。産後に働きすぎて体調を壊してから、「スキあらばゴロゴロ」をモットーに働いている。ゲームが好き。家事は嫌い。腰痛と肩こりに悩まされている。

【著書】

幻冬舎「名もなき家事妖怪」

左右社「子育てしながらフリーランス」

写真:平野明

編集:人間編集部

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